Yes!腐漢ライブラリー

濃いめのBL漫画やBL小説などの感想を色々と。ガチッとムチっとが大好物な大人向けです。(+BLアラブもの小説読破中)

貴族の恋は禁断の香り-本物の貴族さまだったのですか、閣下!

[ 2011/05/22 00:00 ] TB(0) | CM(0)
オークラ出版から海外BL小説を翻訳した新レーベル『プリズムロマンス』が発売されました!第1弾として2冊発売されたので、まずはアヴァ・マーチ著「貴族の恋は禁断の香り」から読んでみました。「守護天使に恋して」はまた後ほど。

……。おうっ!これはヒストリカル作品じゃないですか!タイトルの『貴族』がまさか本当に本物の貴族さまだったなんて思ってもいなかったのでした。あらすじには先に目を通していましたが、まさか19世紀初頭・イギリスのお話だったなんて。(現代の「なんちゃって貴族さま」だと思ってましたすみません)
翻訳+歴史ものって、登場するワードが理解しづらいので苦手意識があるのですが、さてどうなることやら。

最初に重大事項を記載しておきます。
本文中の挿絵はナッシングです!表紙の「鞭」を見て、たらこさんのそれはもう「あんなこんな」イラストを楽しみにしていたのにー。残念無念……(笑

□公式サイト:プリズムロマンス ~AQUA★BOYS~

貴族の恋は禁断の香り
アヴァ・マーチ 寿たらこ
477551699X

■貴族の恋は禁断の香り/著者:アヴァ・マーチ/イラスト:寿たらこ/訳:美島幸
オークラ出版(プリズムロマンス)
原題:Bound by Deception / Bound to Him
収録作:「貴族の恋は禁断の香り」「貴族の恋は背徳の陰に」

-あらすじ-
侯爵家の次男同士であるオリヴァーとヴィンセントは、寄宿学校時代からの親友だ。何をさせても優秀なヴィンセントと違って落ちこぼれのオリヴァーは、ずっと友人に思いを寄せてきた。ある日、ヴィンセントが同性愛者だと知り、彼との一夜に焦がれたオリヴァーは男娼をよそおうことに決めた。そして、友人を待つために入った娼館の一室で、鞭や玩具が用意されるのを目にしてしまい……。

▼▼▼ …「貴族の恋は禁断の香り」の感想を読む
 
■感想
公式サイトでプリズムロマンスについて『海外BL小説を翻訳した』という説明書きがなされていますが、この作品は『ボーイズラブ』って感じじゃないんだよなぁ~。いつも読んでいるBL小説と比較できないくらいに、やっぱり「翻訳もの」という印象の方が強かったです。どうせなら『ロマンスBL』というカテゴリ名を付けちゃった方が、内容のニュアンスが伝わり易いかもしれないなぁと思いました。そんなワケで、今回の作品は「ヒストリカル・ロマンスBL」な内容です。

まずは気になる読みやすさについて。
私もそれほどの数の翻訳作品を読んではいませんが、この作品はダントツで読みやすかったです!なに、翻訳ものってこんなに読みやすくていいんですか?と恐縮するほど感激しました(笑)。何といっても「変な言い回し(これは読んだことがある人にしか分からないので説明できないのですが)」が登場しなかったのには本当に驚きです。まぁあの言い回しがない分、若干物足りなさも感じたりしましたが、アレがあるのとないのとでは、読むスピードもテンポも段違いですからねぇ。原文がそのようなスタイルなのか、翻訳者の腕の見せ所だったのかは不明ですが、ほとんどストレスなく読むことができました。でも「翻訳もの」には違いないので、慣れ親しんでいる「BL」の雰囲気ではないので要注意かも。あとはキャラクターの呼び名が複数あるのは、もう仕方ないことなので慣れましょう。2巡目には大体慣れます(笑

■貴族の恋は禁断の香り
十数年来の親友であるヴィンセント(24歳)が娼館で男娼を買っている事実を知ってしまったオリヴァー(25歳)は、彼への思いが抑えきれなくなり、なけなしを金をかき集めて娼館へ潜り込んでヴィンセントの相手を務めることに成功します。しかしオリヴァーはやがて言いようのない思いに駆られ始め、真実をヴィンセントに告げるべきだと思い始めますが……。

「いくら髪をボサボサにしてヒゲを生やしたところで、親友に気付かないわけないじゃん」とは思いましたが、ここは19世紀初頭のロンドンなのです。部屋が暗ければ分からないのですよ!(笑
野暮なツッコミはさておき、実際にヴィンセントの相手をすることになったオリヴァーは部屋に足を踏み入れて仰天。SMプレイの道具がそろっているじゃないですかと。伯爵家のお坊ちゃまは鞭やお道具を使うのがたいそうお好きらしく、親友のオリヴァーだと気付かないまま行為に没頭していきます。あらすじに『鞭や玩具』なんて書いてあるので、それは激しいプレイ内容を想像していましたが、読んでみるとかなりソフトな内容でがっかりほどよい感じでよかったです。SMな内容が苦手な人でもこれなら読めるのではないかと……。オリヴァーが情事の最中にヴィンセントを「閣下」と呼んでいるのが、SMというよりも主従プレイっぽくていい感じ。「もっとお願いします、閣下」とか凄いよね!私はいつも「お許しください、殿下」な方々の作品を読み漁っているので割と平気でしたが、果たして『閣下』は皆さんに受け入れられるのでしょうか。ちょっと心配だったりします。

ヴィンセントと寝てしまったオリヴァーが思い悩むというのは理解できるのですが、「あの男娼が僕だと知ってもらわないと困る」という結論に思い至るのがどうしても分からずにモヤモヤ中です。何度読んでも分からないんですよねー。どうやらキスされたのが我慢ならない?らしいのですが、「身体だけなら思いとどまれたけれども、キスまでするなんて信じられないよ!」とのこと。うーん、難しい。そしてついにヴィンセントに真実を打ち明けてしまうのですが、この際のオリヴァーの言い分もちょっと理解するのが難しいです。キスしたらどうなるの?爆発するの?困ったなぁ~。誰か私に説明してください、お願いします。
それに輪をかけてヴィンセントが自分自身の殻を破れていないのも辛いです。男は抱くが、男を愛するという定義が自身には存在しておらず混乱中。ラストも「オリヴァーは大事だが……。」な部分で終わってますし。何となくハッピーエンドな感じでした。

■貴族の恋は背徳の陰に
前作から半年後、恋人と言うには不安定な関係を続けているふたり。この時代の貴族の暮らしぶりが書かれていて面白かったです。地位があっても財産のない貴族は悲惨な暮らしをしているらしく、貴族も江戸時代の武士もそう変わらないんだなぁと思いました。

同じ侯爵家の次男同士のふたりですが、ヴィンセントは土地も財産も持っていてお金持ち、かたやオリヴァーは土地もお金もない貧乏貴族。この頃の貴族は投資などで財を成していたらしいので、わずかな遺産しか持たないオリヴァーは今で言う無職状態。家にヴィンセントが訪ねてくるのを待つ日々を送っています。働けば少しは生活も楽になるのになと思うのですが、そこは貴族さまですから。働くのは良しとされない時代ですので、オリヴァーは賭場に行くことくらいしかやってません。ダメじゃん、財産減ってるじゃん!(笑)。清々しいほどの無職っぷりです。傘貼りしなさい、傘貼り。

一方のヴィンセントは精力的に動き回って貴族らしい活動をしていますが、逆らえない父親から結婚話を振られて大いに悩みます。以前からヴィンセントの煮え切らない態度(同性愛者だと認めない)が気になっていたオリヴァーと衝突。そして互いに離れて生活する間に、相手の大切さが身に染みてよし頑張るぞという展開に進んでいきます。この頃は同性愛者だとバレると絞首刑なんてこともあったそうで、尚のこと慎重すぎるヴィンセントにイライラするオリヴァー。追い打ちをかけるように、自分に金銭的援助をしようとする彼を見てぶち切れてしまう訳です。腐っても貴族さまですねぇ。オリヴァーはおどおどしている青年なのか、勝ち気な青年なのか判断に困るなぁ。どうも調子が狂います。訳者のあとがきにある『成長物語』だと捉えれば……そうか!ある意味「ノンケ」なヴィンセントを自分はゲイだと認識しているオリヴァーがじわじわと調教していくという壮大な物語なんですね。それなら納得、分かります。

ラストにふたりは和解してようやく思いが通じ合った関係に。この先どうなるか分かりませんが、とりあえずのハッピーエンドですかね。恋人同志になっても情事の最中は相変わらず「閣下」なんですが、なんと「ちょいリバぎみ」なところまで身体の関係が発展していて驚きました。ヴィンセントは普段は本当に優しいジェントルマンなのですが、いざ挑まんとすると一気に豹変するのがステキ(鞭を使うくらいですからね)。そんな彼が……。表紙を見つめながら「ヴィンセント受もいいよね」とつぶやいております。うーん、オリヴァーにはそのまま突き進んで欲しかったです!(それ以上はヴィンセントの気持ち待ちらしいです)続編があればその辺りにも期待したいと思います。

無茶苦茶面白かったかと言われると、そうでもないんだなという答えになりますが、いろいろな部分でなかなか興味深く面白い作品でした。翻訳ものは奥が深いわー

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