Yes!腐漢ライブラリー

濃いめのBL漫画やBL小説などの感想を色々と。ガチッとムチっとが大好物な大人向けです。(+BLアラブもの小説読破中)

闇の貴族-ヤクザ・殺し屋にピンときた方はこちらまで。

[ 2009/05/04 00:37 ] TB(0) | CM(0)
以前アラブもの小説のどこかでちょこっと触れた作品です。
タイトル・あらすじ・装画から察するとおり、裏社会…ぶっちゃけ経済ヤクザと殺し屋の話です。
そこで生き残るためにのし上がっていく人間と、転落していく人間が見る地獄をドラマティック(ここ重要)に描いた作品です。

以前、某BL作家さんのオススメ作品ということで読み始めたのですが、あまりのハードさに読んでいる途中で泡吹きました。(最初に手を出したのが「カリスマ」という作品だっただけになお悪いw)
その某さんも、決して獣○があるからだとか、アブノーマルな性癖の○し屋が登場するからという理由でオススメされたのではありませんが、それを踏まえなくても、かなーりヘビーな内容です。
しかし、それを乗り越えるだけの価値ある作品です。最後の1ページを捲った瞬間、私にはハリウッド映画さながらのエンドロールが見えました!(笑)

裏社会もののジャンルが得意な方は、1度はチャレンジして欲しいなぁ~
特に英田サキ作品がお好きな方、いかがでしょうか?
(いや、ヤクザと殺し屋っていったら英田さんが真っ先に思い浮かんだもので…)

闇の貴族 (講談社文庫)
新堂 冬樹
4062734559

-あらすじ-
闇世界の支配者となるべく策を巡らせ金と暴力で敵を食い尽くして、のし上がっていく加賀篤。だが大金と権力を手中に収めたとき、すでに悲劇と崩壊は始まっていた。この世界を支配する真の貴族とは誰だ!?
金融と裏会社の修羅を生き抜いた著者ならではのリアリティ、これぞ正真正銘の傑作ピカレスク・ロマン。


▼▼▼ …「闇の貴族」の感想を読む
 
■感想 
主人公は暴力団の若頭・加賀(38歳)。倒産整理会社を経営しており、非情な手段と暴力と使い、次々とターゲットを沈めて莫大な富と権力を手に入れていきます。
そしてもうひとり、加賀の部下である柴崎(23歳)。以前加賀に助けてもらったことに恩義を感じ、彼に陶酔している若者です(加賀の義妹と付き合っている)。この2人の男を軸にして話は進んでいきます。

私は最近まで柴崎が主人公だと思い込んでいたのですが、実は加賀が主人公だったらしい…まぁその辺りは読者の好みで視点を変えても面白いかもしれません。私は断然柴崎派です!一途なところがいい…加賀の義妹に「お兄ちゃんと私、どっちか1人を選べと言われたら?」と意地悪な質問をされた柴崎。「そんなの比べられねえよ。好きの種類が違うだろ」と明け透けもなく言っちゃうところが好きです。

とある会社の整理に取り掛かった加賀。順調に作業が進むかと思われたが、ややこしいヤマへと発展(説明しづらいので割愛)。そのとばっちりを受けた柴崎が何者かに拉致されてしまいます。
この拉致された後の拷問…というか、今後の口を塞ぐための半端ないSMプレイの一環?が強烈。今までBLで読んでいた「拷問」という名の「おしおきプレイ」が鼻で笑っちゃうほど甘ちゃんだったことに気づかされます。ほんと、御免なさいと平伏せずにはいられません。
(※プレイ中のほんの「さわり」しか書かれていませんが、それでもヘビー。犬が出てきたときにはもう、もう…柴崎と一緒に泣き喚きたい衝動に駆られます)

この後の柴崎の転落人生、逆を言えば極限まで登り詰めていくダイナミックすぎる話の展開が私は大好きすぎます。もう「どこのハリウッド映画ですか?」と問い詰めたいほど凄すぎるんですよ!

<以下ネタバレ>










自分を辱めた男に復讐すべく行動を起こす柴崎。加賀の紹介で殺し屋の手ほどきを受け、その男を自らの手で殺める柴崎。その後、海外へと高飛びした彼を待ち受けていたものとは…

7年後-彼は「ドール」と呼ばれる殺し屋となって加賀の元へと帰ってきます。

なにそのゴルゴ13!柴崎はなんと殺し屋になるべく、チューリッヒで訓練を受けていたのです。そのプログラムをトップで卒業し、コード・ネーム「ドール」と呼ばれる人形のように感情なく任務を遂行する立派(?)な殺し屋に成長していました。優秀に育った柴崎を、加賀は自分の元へと呼び寄せ、ボディーガードとして使おうと画策しますが、加賀の闇を凌駕する組織の手が2人を泥沼へと引きずり込みます。

日本へ帰ってきた柴崎は、7年前の事件の真相を徐々に知っていくことになります。そして自分を実際に陥れた人物が、かつて心酔していた加賀だったことにたどり着いてしまい…
一方の加賀も日本を裏から牛耳るフィクサーと呼ばれる大きな存在へと成長しています。何でも自分の思うがままに運ぶと思っていた矢先、実は自分こそ手のひらで転がされていた小物だった事実を突きつけられ、「ドール」から命を狙われることになります。

普段BLでトンデモ展開になれているはずの私が泡を吹きまくった後半部分。「ドール」以外にも「パンサー」や「チャンプ」というコード・ネームをもった殺し屋が登場しますが、もうドコの「レオン」なんだと。「ニキータ」なんだと…。最終章の出だしなんて、ドコの「007」なんだと言いたくなるほどゴージャス感が漂います。(ボンドは殺し屋じゃないですけどね)
そのスケールの大きさに脱帽もんです。最初は日本の縮こまった内輪話が、いつの間にかワンワールド規模の壮大な話になっとったよ…

柴崎が殺し屋となって日本へ帰ってくる終盤は、まさに急転直下、誰が誰に裏切られているのか見当もつかず、非常に心臓に悪い展開が続きます。過去の事件の真相を一歩ずつ掴んでいく「ドール」が、関係者をひとり、またひとりと殺めていくシーンは恐怖すら覚えました。前述した他の殺し屋との対決も見物。嗚呼、ここも凄くいいんだよなぁ…
そして虚しいまでのラストシーン。(あえてココだけはネタバレしません!)
『ドラマティック』という言葉以外、当てはまる単語が見つかりません!映画のワンシーンを観ているようで、かっこよすぎて憎たらしくなること請け合い。
これはぜひ読んで体感して欲しいですね。誰しもが「ドラマティックすぎるやろ~!」と叫ばすにはいられないと確信を持って断言できます。

文庫版で500ページ超という長丁場の作品ですが、その駆け抜けるスピード感といったら、私がアラブもの小説を読み切るスピードよりも断然早いです(笑)
登場人物以上に読み手もあちこち痛くなるシーンが続きますので、人を選ぶ作品だとは思いますが、ほどほどにグロいのが大丈夫な方、BL作品に登場する「ヤクザ」「殺し屋」とはまた異なる彼らの別の顔を見たい方などは、きっと満足できるのではと思います。
満足しすぎて、他の作品の印象が白くなりすぎてしまうのが難点といえば難点ですかね…

今回は収まりきらずに書きませんでしたが、加賀と柴崎の関係以外にも他の登場人物との関係も捨て置けない感じで面白いんだよなー
度胸のある方は、一読後に色々とモヤモヤしてみるものいいかもしれません。
私はチャンプと恋人の男のだな…

闇の貴族 (幻冬舎文庫)
新堂 冬樹
434441229X

幻冬舎からも文庫版が出版されていますが、装画の好みで選ぶなら私は講談社に一票。
 
[タグ : 裏社会 ]
■カテゴリ : 小説一般
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